指定指導法 全体の流れ

「指定指導法」の全体的な流れは以下のようになります。

 ①指定された技についての説明
 ②指定された技を通して行う
 ③指定された技の概略について説明
 ④指定された技の詳細について説明
 ⑤指定された技の注意点について説明
 ⑥指定された技を通して行う

大ざっぱに言うと、①は指定された技が「どのような技であるか」という説明であり、③④は「どのような動きをするのか」という説明になります。

そして、技の説明を正しく行うことも勿論大事ですが、「指定された事柄を復唱する」「受けへの指示を忘れない」など、技の説明以外の手順についても、しっかりと身につける必要があります。


①指定された技についての説明


例えば、「片手持ち四方投げ(一)について指導説明せよ」と指定された場合、まずは正面を向き「片手持ち四方投げ(一)について指導説明します」としっかり復唱します。

※このとき、受けは正座をして待っています。

そして、次に「四方投げ」全体についての説明をひと言ふた言で行います。

例えば、「四方投げとは、相手の腕を肩口に折りたたんで後方、あるいは四方に投げる技です」といったようにです。


続いて、「片手持ち四方投げ(一)」についての説明を行います。

例えば、「片手持ち四方投げ(一)は、相手が片手を持って引いてきたときに、その引く力に合わせ崩し、四方投げで後方に倒す技です。」といったようにです。


このとき、受けの人を使って説明しても構いませんが、その場合は「実際に受けを使って説明したいと思います」と断わってから行うようにします。


②指定された技を通して行う


①の説明が終わった後、「では、最初に技を通して行います」と宣言し、技を通しで行います。

※このときに、受けが正座したままであれば「受け、起立」、続いて「礼」「構え」の号令を忘れないようにします。

一回通しで行った後、向きを変えて、もう一度行います。(計2回行います)


③指定された技の概要について説明


技を通しで行ったら、再び正面を向き「それではまず、概略について説明します」と宣言します。

“概略” というのは、相半身なのか逆半身なのか、前足なのか後足なのか、手はどうなっているのか、どの方向に進むのか、などその技を通しで行うに足りる「必要最低限の動きの説明」と考えて良いと思います。


④指定された技の詳細について説明


“構えなおれ” の後、正面を向き「次に、詳細について説明します」と宣言します。

“詳細” は、③の説明には無かった、動きのより細かな説明、動きの理由などを織り交ぜて、「より詳しく説明する」ということで良いと思います。


⑤指定された技の注意点について説明


“構えなおれ” の後、正面を向き「注意点について説明します」と宣言します。

“注意点” は幾つもあり、全部を説明することはできないので、自分が特に大事だと思う部分、自分が説明したいと思う部分を取り上げて説明することで良いと思います。


⑥指定された技を通して行う


ひと通りの説明が終わったら、「最後に通して行います」と宣言し、向きを変えつつ技を2回、通しで行います。

通しが終わったら、「構えなおれ」「礼」の後、正面を向き「以上で、片手持ち四方投げ(一)について指導説明を終わります」と宣言をします。


全体のポイント


まず、一番気をつけるのは時間配分だと思います。

指定指導法は、指導にかけられる時間が決められており、その制限時間内に上記①~⑥をすべて終えなければなりません。

つまり、正面打ち三ヶ条抑え(二)も正面打ち入身投げ(一)もかけられる時間は同じなので、技によって足りなくなったり、あるいは余り過ぎてしまったりなどの無いように、しっかりと時間配分を考えた予習を十分にしておかなくてはならないのです。


そして、当然ですが、言葉で説明していることは、実際に動きでも示さなくてはなりません。

例えば「すり足で前進して」と言っておきながら、つま先が上がっていては良くありません。

もちろん、すり足で前進することが大事なのですが、つま先が上がってしまうのであれば、「すり足で前進して」などと言わなければよいのです。


といったように、戦略的なことも当然に必要になってくると思います。


また、見えにくい位置だと思ったら、技の途中で「向きを変えます」と移動できるくらいの余裕も欲しいところです。


参考資料


「指導者資格検定」について詳細に説明した書籍などは現在市販されていませんが、BABジャパンより発売されている「養神館公式技術DVD 合気道完全マスター」の「第3巻(中級編)」の後半部分に、「片手持ち二ヶ条抑え(一)」を例にした模範指導法の実例が収録されています。




養神館公式技術DVD 合気道完全マスター VOL.3 中級編


指導法の模範を行っているのは、合気道養神館 千野進館長代行ですので、安心して参考にすることができます。




また、「養神館合気道 龍」のオリジナル教材のラインナップの中に「指導者資格審査編」があります。
こちらは市販の商品ではありませんが、「養神館合気道 龍」のオンラインショップから購入ができるようです。

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